一覧図解で読む物語の世界(古事記編)

知的好奇心あふれる世界の 複雑化した話を紐解き 図解でまとめます

「図解でまとめる技術」を活用した、工学系男子による、新たな学びの方法の研究サイト

天の岩戸からスサノウ追放まで

天の岩戸(あまのいわと)の話については、誰もが、一度は聞いたことがある物語でしょう。ネットで調べると、その数の多さに驚きます。詳細については、ネットで見ていただくとして、ここでは、ざっくり解説します。


誓契(うけひ)での勝負に、勝ったつもりのスサノウでしたが、コインの裏表を的中させても、どっちが勝ったということを、あらかじめ決めておかなければ、どうしようもありません。勝敗の行方があいまいだったことから、スサノウは面白くなかったのでしょう。

その後、スサノウは好き勝手し放題に暴れまくりました。海原での仕事をさぼり、かつ、そのわがままな振る舞いに、姉の天照ラスは大い驚き、そして悲しみ、「天の岩戸」の奥に隠れ、戸口を締め切ってしまったというわけです。

太陽の神「天照ラス」が隠れた世の中は真っ暗。

そこで、「思イカネ」を筆頭に、「天照ラス救出隊」が組織されたわけです。活躍した神は、いろいろあるようですが、とりあえず、以下の5神としました。

f:id:seibei-kagaya:20150326183249j:plain

救出劇は、長鳴鳥「コケコッコー」の第一声で始まりました。

●「思イカネ」が、全体構成と演出を行います。

●「フト玉」が、真榊(まさかき)に玉、鏡、和幣を供え、

●「天ノコ屋根」が祝詞(のりと)を唱えた後に、

●「天ノウズメ」が、肌もあらわに、乱れた踊りを披露すると、

天照ラスが「何かしら?」と岩戸の隙間からチラ見。すかさず、

●「天の手力男」が、岩戸をこじ開け、天照ラスを引っ張り出すと、

暗闇の中にあった世の中に、明るい太陽が戻ってきた、という流れですね。


その後、スサノウは罰せられた上、高天原を追放されてしまいます。

追放された行き先が。。。。「出雲の国」。最終的に、スサノウは「出雲の国」から、母イザナ美のいる「黄泉の国(よみのくに)」に近い、「根の堅州の国(ねのかたすのくに)」に移住。 スサノウの、当初からの願いが、最後に叶ったわけです。

f:id:seibei-kagaya:20150326183621j:plain

 結局、スサノウは高天原で誕生し、追放され出雲の国に降り立ち(これはいうなれば、「裏降臨」といってもいいのかもしれません)、子孫を残すという仕事をこなします。結末をどうするか、ということを執筆者は揉めたのでしょう。

イザナ美は仕事を終えた後、「黄泉の国」という死者の国(古墳)に収まりましたが、ここから子孫は生まれません。そのような場所に、スサノウをここに送るわけにはいかないわけです。そこで「根の堅州の国」という別の国を設定。さらに、出雲の国とのかかわりを持たせた、ということではないでしょうか。

さらに、この国の位置付けを、イザナ美の近くということにすれば、当初から「母のところに行きたい」という理由も、正当化できるようにも思えます。

これは、単なる私自身の妄想ですが、物語として収まりがよさそうです。

 

 にほんブログ村 歴史ブログ 神話・伝説へ

日本ブログ村というところに登録しています。この「神話・伝説」のカテゴリーでは、 いろいろな方が、独自の視点で古事記などについて書いています。 一度、ご覧になると参考になるかもしれません。。。。。参考にならないかもしれません。