国の始まり(古事記編/天地創生)
さて、古事記に関しては、数多の研究者の方が著書だけでなく、ネット上にも各種文献や意見がでています。その意味で、いまさらながらですが、「国の始まり」について、図式とともにまとめておくことにします。
旧約聖書の「創世記:天地創造」では、唯一神が、雄大な自然たる地球環境と、人々を創り出していきました。ギリシャ神話では、混沌とした宇宙空間から、ふと生じた「ゆらぎ」により、母なる大地ガイアが誕生しました。
古事記における自然界の形成についても、旧約聖書とギリシャ神話と同様なプロセスをたどっているようにも思えるンです。
八百万神(やおよろずのかみ)といわれるように、古事記では、自然界に多様な神様が大勢います。あまりにも、多いので、畏れおおいですが、天地創生の場面では、番号をつけさせていただきましたm(_ _)m。
▮始めに誕生したのが「造化三神(ぞうかさんしん)」
最初の世界はまだ形をなしていない状況でしたが、やがて天と地がおぼろげに区別できるようになり、天界である「高天原(たかまがはら)」に、三柱(みはしら)の神が生まれました。
▮さらに二柱の神が生まれ「別アマツ神(ことあまつかみ)」
先の造化三神に、二柱の神が加わり「別アマツ神(ことあまつかみ)」と呼ばれました。この、別アマツ神により、おおむね、天界の存在が認識されたものと思います。いずれの神も、単独の神(独神=ひとりかみ)であり、性別も明確ではなく、姿かたちも現さなかったようです。
▮この後に「神世七代(かみよななよ)」と呼ばれる神が現れます。
①豊雲ノ神と②国ノ常立の神は、それぞれ独神で一代であり、性別もありませんでしたが、③~⑦までは、男女1組で一代となったようです。この時点で、男神と女神が登場することになったわけです。
「別アマツ神」の⑤天ノ常立の神と、「神世七代」の②国ノ常立の神は、天と地の世界を形作った重要な神といえるでしょう。
▮全体を「天地創生」の神々としてまとめました
古事記には、それぞれの神の細かい役割よりも、その結びつきを重要視しています。とはいえ、このような図を覚える必要はありません。ここでは、3(造化三神)、5(別アマツ神)、7(神世七代)と縁起のよい奇数と全体の構成をイメージとして捕え、頭の中に描いておきましょう。
で、忘れる(*^ー^)ノ。。。それが大切です。
さらに詳しく知りたいという際には、ネットで検索すれば、いくらでも文献、資料、動画、ブログなどが、すぐ見つかります。(すぐ見つかる、ということがいいかどうかは別として)
この「神世七代」として生まれた一組の男女が、「イザナ岐(男神)」と「イザナ美(女神)」であり、天界より「国づくり」を命じられることになります。ギリシャ神話での「ガイアとウラノス」や、旧約聖書の「アダムとイブ」にあるように、新たなものを生み出す際に必要なのは「男と女」、という考え方が共通している点が面白いですね(* ̄Oノ ̄*)。