一覧図解で読む物語の世界(古事記編)

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天照ラス&スサノウの登場

イザナ岐は、死者の国の「黄泉(よみ)の国」から、ようやくも戻ってきました。これが「蘇る(よみがえる)」の由来だとか。イザナ岐は、死者の国から、帰ってきたので、身がけがれたわけで、禊(みそぎ)を行います。脱ぎ捨てる衣、袴、冠、腕輪、などから、12神が生まれ、さらに、身体を洗った際には、7神が生まれました。

最後に、

左目を洗うと「天照ラス大神(アマテラスオオミカミ:天照大神)」
右目を洗うと「月ヨミ命(ツクヨミノミコト:月読の命)」
鼻を洗うと「スサノウ命(スサノウノミコト:建速須佐命)」

が出現。どうも、このあたりは引っかかります( ̄□ ̄;)

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 「天照ラス」は天界を治め、「月ヨミ」は夜を治め、「スサノウ」は海原を治める役目を仰せつかりました。天照ラスは「和魂(にぎみたま)」で、スサノウは「荒魂(あらみたま)」と呼ばれ、スサノウは暴れまくり、天照ラスは、これを鎮める役割り。やがて「誓約(うけい)」や「天の岩戸」の事件が起こるわけですね。一説では、天照ラスは、もともと大和に住む神であり、スサノウは外来の神ともいわれているようです。

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神社には、この写真のような「神楽(かぐら)」の舞台があります。「神楽」は、神の宿る場所としての「神座(かむくら)」が転じた言葉。写真は、「大國魂神社(おおくにたま)」で、お祭りの際演じられた「イザナ岐の禊」の場面。昔は、お神楽を観ても、何をやっているのか、よくわかりませんでしたが、イザナ岐とイザナ美の話を知って、ようやくじっくり観ることができるようになりました。 

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「神楽」から、室町時代以降「能・狂言能楽)」が演じられ、その哲学的ストーリーは西洋の演劇にも通ずるとか。「能楽」は、2001年、ユネスコの「人類の口承及び無形遺産の傑作(世界無形遺産)」として認定。さらに江戸時代に大衆向けに「歌舞伎」が演じられるようになった、ということのようです。

ネットで詳しくお調べください。

 

女優の浅野温子さんは、2013年、いろいろな神社をめぐって「語り舞台:日本神話への誘い」を語ったそうです。一度、見に行きたいと思っていましたが、最近は、あまり活性化していないようですが、このような試みはとてもいいですね。

「語り舞台:日本神話への誘い」(http://kataributai-nihonshinwa.com)


イザナ岐は、ケガレた身体を洗い清めたわけですが、民俗学者柳田國男は、日本人の伝統的な世界観を「ハレ」と「ケ」で分類しました。「ハレ」とは儀式やお祭りという「非日常的」な出来事。「晴れ着」とは、非日常的な儀式(例えば成人式や結婚式)にまとう衣服。「晴れ舞台」という使い方もあります。

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晴れ着を着ているのに、なぜかイジけている子ども

 

一方「ケ」は「日常的」生活を表すといわれています。どんよりした天気が続く毎日。ある日、みなぎる太陽が昇り、雲一つない「日本晴れ」の日。江戸時代には、そのような使い方もしたとか。日常生活(「ケ」)を営むとエネルギーがなくなり「ケガレ(ケ枯れ)」る。「ハレ」の日に、非日常的な祭りを行い、エネルギーを復活させる、という考え方もあるようです。


わたしは、いつも非日常的生活を営んでいるよう。

。。。。。「ケ」がありませんから。(ノ_-。)